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ラストチルドレン
第3章 壊れていく日常・守りたいもの




夏休みど真ん中に補習があると言われて、あっという間にその日が来た。

あの海の日以来、あたしは外出禁止を言い渡されて結局どこにも行っていない。

少しだけあった罪悪感で、大人しく言い付けを守った。

達巳とは連絡していなくて、何度かメールを送ろうかとも思ったが、達巳の言葉を読んでしまうと無性に会いたくなると思い、敢えて送らなかったし、達巳からもメールが来ることはなかった。

学校に向かっていると、前を歩く達巳を見つけてあたしは小走りで達巳を追いかけた。

「おはよ!」

「あ、楓。おはよ」

短い挨拶を済ませ、ただ歩く。

何を話すべきか悩んでいたら達巳から話し掛けられた。

「親大丈夫だった?海の日、めっちゃ怒ってたし」

「大丈夫だよ~外出禁止言われたけどね」

「うわっ、きびしっ」

「でも、今日は達巳に会えたし、嬉しい」

補習じゃなければもっと良いのにって達巳が笑う。

でも、デートも良いけどあたしは、この何気無い感じが好きだよ?

今までだって、達巳の隣にはあたしが居て…。

学校で同じ時間を共有してきた。

学校はあたしたちの思い出が詰まった大切な場所。


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