この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ラストチルドレン
第3章 壊れていく日常・守りたいもの

◇
夏休みど真ん中に補習があると言われて、あっという間にその日が来た。
あの海の日以来、あたしは外出禁止を言い渡されて結局どこにも行っていない。
少しだけあった罪悪感で、大人しく言い付けを守った。
達巳とは連絡していなくて、何度かメールを送ろうかとも思ったが、達巳の言葉を読んでしまうと無性に会いたくなると思い、敢えて送らなかったし、達巳からもメールが来ることはなかった。
学校に向かっていると、前を歩く達巳を見つけてあたしは小走りで達巳を追いかけた。
「おはよ!」
「あ、楓。おはよ」
短い挨拶を済ませ、ただ歩く。
何を話すべきか悩んでいたら達巳から話し掛けられた。
「親大丈夫だった?海の日、めっちゃ怒ってたし」
「大丈夫だよ~外出禁止言われたけどね」
「うわっ、きびしっ」
「でも、今日は達巳に会えたし、嬉しい」
補習じゃなければもっと良いのにって達巳が笑う。
でも、デートも良いけどあたしは、この何気無い感じが好きだよ?
今までだって、達巳の隣にはあたしが居て…。
学校で同じ時間を共有してきた。
学校はあたしたちの思い出が詰まった大切な場所。

