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ラストチルドレン
第3章 壊れていく日常・守りたいもの

◇
繁華街は、何度来たって慣れはしない。
煌めいているネオンだったり、行き交う人々のオーラだったり。
それは、自分の住んでいる町には無い独特の雰囲気。
いつだって、俺を飲み込もうと口を開けている気がしてこの町は居心地が悪い。
母親に奪われた30万を手っ取り早く回収するには、カズさんを頼るしかなかった。
初めて瞳に紹介されて仕事をした日から、何度かお世話になっていた。
今日も、カズさんに仕事をくれと連絡したら夜に事務所に来いと言われて今に至る。
古びたビルの五階、階段しか無い不便な場所。
そこにどっしりと構えた事務所。
扉をノックし、入ると奥にふんぞり返って座るカズさんが見えた。
「よぉ、兄ちゃん。どうや?最近はぁ」
「それが……」
俺は母親の事、金がどうしても必要なこと、その理由を伝えた。
「そりゃあ困ったな。すごい母ちゃん持ったもんやな」
「どうにかしたいんですけど、とりあえずお金が必要で」
「兄ちゃん、簡単な話や。これ、売ってこい」
ポンっと投げ出されたのは、チョコレートの箱のような何か。
「これは?」
「気持ちよくなれる薬や。1つ二万くらいで売れるから、街出て売ってこい。」
薬という言葉に、俺は少し身構えた。
繁華街は、何度来たって慣れはしない。
煌めいているネオンだったり、行き交う人々のオーラだったり。
それは、自分の住んでいる町には無い独特の雰囲気。
いつだって、俺を飲み込もうと口を開けている気がしてこの町は居心地が悪い。
母親に奪われた30万を手っ取り早く回収するには、カズさんを頼るしかなかった。
初めて瞳に紹介されて仕事をした日から、何度かお世話になっていた。
今日も、カズさんに仕事をくれと連絡したら夜に事務所に来いと言われて今に至る。
古びたビルの五階、階段しか無い不便な場所。
そこにどっしりと構えた事務所。
扉をノックし、入ると奥にふんぞり返って座るカズさんが見えた。
「よぉ、兄ちゃん。どうや?最近はぁ」
「それが……」
俺は母親の事、金がどうしても必要なこと、その理由を伝えた。
「そりゃあ困ったな。すごい母ちゃん持ったもんやな」
「どうにかしたいんですけど、とりあえずお金が必要で」
「兄ちゃん、簡単な話や。これ、売ってこい」
ポンっと投げ出されたのは、チョコレートの箱のような何か。
「これは?」
「気持ちよくなれる薬や。1つ二万くらいで売れるから、街出て売ってこい。」
薬という言葉に、俺は少し身構えた。

