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第1章 1.帰国
早朝4時半前、彼女は愛車の鍵を手に取り、玄関を出た。
10月にもなるとこの時間はまだ暗い。
ガレージから愛車のポルシェカイエンで出発する。
横浜に再び住み始めて10年以上たった。
慣れた坂道を降りて、石川町から高速に乗り、ベイブリッジを渡る。
こんな時間なので、道路はすいている。
寝過すのが怖かったので、徹夜した。
正直眠い。
家を出る前にコーヒーを1杯飲んだが、眠さはそれを上回っていた。
約30分で目的地、羽田空港国際ターミナルのそばの駐車場に入った。
ちょうど5時。
ロサンゼルスからの便が到着する。
荷物を受け取ってゲートを出てくるタイミングと、駐車場から歩いて向かっていくタイミングは、ほぼいい感じだ。
しかしながら結構な睡魔が彼女を誘惑してきて、カフェインは完敗濃厚だ。
「あー眠い」
大あくびしながら連絡通路を渡り、到着ロビーへ。
背が高いし、少なからずアーティストとしてのオーラもあるから、居ればすぐわかるはずだが、如何せん眠さで愛する夫を探すパワーが鈍化していた。
短い着信音はlineのもの。
見ると、猫のスタンプで「ありがとうございます」と来ている。
素早く「どこ?」と返すと、彼女の後方で同じlineの着信音がなった。
振り替えると、少し無精髭が生えた愛する夫が立っていた。
彼女は早足で彼のところに向かい、一目散に抱き付く。
「希望、ただいま」
「おかえり、浩一!」
抱きしめられた感覚を惜しみつつ抱擁を解く。
マネージャーの山口が一緒に帰ってきているのを事前に聞いてはいたのだ。
「ぐっさんもお帰りなさい!」
「はい、ただいまです。
じゃ、俺、京急なんで!」
山口はこの夫婦のラブラブっぷりを最もよく知る者の一人。
「品川まで送ろうか?」
一応建前で彼女は訊いた。
「いや、大丈夫っす。
二人の愛の時間を邪魔するほど俺鈍臭くないっすから。
じゃ、お疲れっした!」
爽やかに地下ホームへとエスカレーターを降りていった。
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