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第5章 スタープラチナム

　「全部、ゆずから聞いたよ。おまえ、浮気してるんだってな。しかも相手は徹さんだっていうじゃないか。」

　リョウタは、娘の父のことを徹さんと呼んでいた。
　かつて、娘が父にリョウタを紹介したときに何故だか父親は彼のことを非常に気に入って、そう呼ぶことを彼に許したのであった。

　
　…つながった。
　脳細胞がトップギヤだぜ…いやいや、そのようなくだらない連想をしている場合じゃないや。
　これはつまり、柚子の狂言だ。
　柚子が全部しゃべって、それでリョウタを焚き付けた。


　瞬間的に全てを理解したあと、娘は父親とのことがリョウタにバレてしまったという事実を改めて噛みしめた。

　「ゆぅずうううう…」

　恨みのこもった声で、娘は妹を非難する。

　「おねえちゃん、少しは反省しないといけないよ。リョウタ君のこと裏切って、私も裏切って。」

　「リョ、リョウタは…ともかく、いつあんたのこと裏切ったのよ。」

　「それがわからない時点でもう裏切りなんだよ。」


　娘は妹が彼女とのHで幸せなデートを計画していたことも、その後の絶望も、全く知らなかったのだから、その温度差は埋まりようもなかったろう。