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第25章 怒　IKARI

　「ねえ、おなかすいてない？晩御飯、まだなんでしょ？」
　「うん。まだ食べてない。確かにおなかすいたかな…」

　実際のところ、身も心も痛めつけられた彼に食欲などは無かった。しかし、少しでも否定的な言動をを避けようとする態度が、そんなつまらない嘘をつかせてしまう。

　「今日はね、いろいろ食材買ってきたんだよ。玄関に置きっぱなしだけど。」
　「そうか。久しぶりの華のご飯は楽しみだな。」
　「精のつきそうなもの、一杯買ってきたから、たくさん食べて元気になったらまたしてもいいよ。」

　そういうと華はペニスを抜きながら立ち上がる。
　中に溜めていた大量の精液がポタポタと滴り落ちるが、それを拭うことすらせず、股間から精液を垂らしたまま華は部屋を出て行く。

　しかし出ていく瞬間、

　「お父さんはそこでそのまま待っててね。部屋を出ちゃだめだよ。」

　もう絶対に逃がさない、華の言葉にはそういう強い意志がこもっていたのか、父には一瞬、華にあの鬼の表情が見えたような気がして、身を震わせた。