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§ 龍王の巫女姫 §
第14章 湯に溶ける甘い蜜


ゴクリと水鈴は唾を飲んだ。

男らしく逞しい炎嗣の肩から背中にかけて、はっきりと刻まれていたのは三本のキズ。


“ 痣じゃない…!というより、切り傷?”


赤黒いそれは打ち身による痕ではなかった。

火傷かと思ったがそれも違う。

その傷は何かを連想させる。


ひょっとして

動物につけられた爪痕か──



「──…此れが、俺の徴だ」


「シルシ──‥?」


「《 龍の爪を背負う者 》──俺が預言の子供であると示す徴( シルシ )だ」



太く 長く、濁った色のその爪痕は

よく見れば確かに、" 異様 " であった。




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