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§ 龍王の巫女姫 §
第14章 湯に溶ける甘い蜜

水鈴は炎嗣の話を聞きつつ、揉み療治を再開した。

「生まれつきですか?」

「そうだ…、お前の銀髪と同じだな」

「同じ……」


“ わたしと同じなら、彼もずっと人目を避けて暮らしていたのかしら… ”


銀髪を誰にも見られてはいけないという言いつけとともに、水鈴は育てられた。

だから彼女はそんな風に想像した。



「あまり見るな、──おぞましいだろう」


「…ん…なんだか…」


怖くはないけれど…


「──…なんだか痛そう」


「…ふん」



痛々しい、ではなく
痛そう、と眉を寄せる水鈴に、炎嗣は含み笑う。



「そういうお前だから…──」


「…っ…炎嗣様?」


不意に、肩を揉んでいた彼女の手を掴んだ。




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