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§ 龍王の巫女姫 §
第14章 湯に溶ける甘い蜜

身体を回転させて水鈴に向き合った炎嗣。

「…あ…の」

「……」

彼が掴んだ手の甲に唇を近付けるのを見て、ハッとした水鈴は顔を赤らめた。

戸惑う暇も与えられず、柔らかな感触が伝わる。


「…っ」

「お前のような女は…自分の色に染めたくて堪らなくなる」


そう言って、肩に手を回された。


「どうして急に…っ」

「──…急に?違うだろう…お前の濡れた衣越しの膨らみが、いったいどれほど俺を煽っていたか」

「そんな…」


言われて自身の身体に目を落とすと、胸の突起が透けていて……確かに、裸体でいるよりも厭らしく思える。


自由な方の手で隠そうとすると…それを防がれた。


「隠すな」

「でも…」

「怖がる必要はない。今日の俺は優しくしてやる余裕があるからな…」


突然、二人の距離を意識してしまう。

二人の距離を近く感じる──。


だから恥ずかしくなるけれど


「……ッ、つ──」


彼の目にじっと見詰められ、胸の奥にぽっと温かいものが生まれた。



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