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§ 龍王の巫女姫 §
第14章 湯に溶ける甘い蜜

困り果てた水鈴のその顔は炎嗣を楽しませた。

彼はゆっくりと視線を落とし

「……っ」

手折れそうな細い首…その下のなよやかな身体に、静かに喉を鳴らした。


色白な彼女の肌がほんのりと色づいている。


「一足先に、舞い降りた春か…」

「……?」

「桃源郷の花が咲くより前だというのに、ここに瑞々しい桃の実が見える」

彼女の顎を捕らえたまま、炎嗣は薄衣の衿を片側に引っ張る。

すると彼女の片方の乳房がまろび出てしまった。


「…甘そうだ」

「…ぁ…//」


胸をさらけ出されたものの、抵抗もろくにできず

何か喋らなければと思うのだがその言葉すら出てこない。


──炎嗣は気付いていた。


この状況で逃げようとしない水鈴は、自分に触れられる事にもはや嫌悪を感じていない。



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