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§ 龍王の巫女姫 §
第16章 淡く儚く 愛おしく


そうよ…昔なら…

こんな気持ち

こんな…──


「…花仙にもっと、触れてほしいだなんて──こんな気持ちにはならなかったのに」


《 巫女であるその身は 神のものだ 》


「このままずっと抱き締めていてほしいだなんて恐ろしくて言えなかったのに…っ」


《 人間の男に惹かれるなど…最も穢れた行為だ 》


「…駄目だってわかってる の、に……ッ 今のわたしはどうしようもないくらい…──!」


《 …わかったかい、水鈴や 》




「あなたが好き」


「──…水鈴様 ッ」


「ごめんなさい、わたしは花仙が好き…っ わたしはこんなふうに、汚れてしまいました…─ッ」




冷静になんてなれなかった。


花仙に拒否された水鈴は、神を裏切ったその罪深さに震えながらも思いの丈をさらけ出した。




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