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馬鹿と天才と紙一重
第2章 天才の策略

「予想はしてたけどさぁ?
藍…生徒会としてこのレベルは恥ずかしいと思わないのか」
「ぅう…」
優しく教えてくれると期待した私は愚かだ、そう思うくらい厳しい指導をする修哉。
「ここの分母に値するのは、これだ。問題文をよく読めばわかる」
…根気良く諦めず見捨てずに教えてくれるのが唯一の救い。わかるまで見ててくれるところは…悪くない。
「ん〜と、こう?」
最後の1Pを解き直して答えを見せる、なんだか緊張してきちゃった。
じーっと下から修哉を見つめる。色素の薄い髪の毛や透き通った肌、凛とした目元に先程私にキ…キスをした唇。
どの角度から見ても天才王子っていうのが相応しい。
「あってる。じゃあ今日はここまでだ」
赤ペンでスラリと丸をつけてくれて思わず顔が綻ぶ。
「よかったぁ、それじゃあ帰るね」
任務も遂行しましたし、ワークや筆箱を鞄の中に詰めて立ち上がった。と思ったら。
「勉強見てやったお礼もらうからこっち来いよ」
「えっ」
言うが早いか私の腕を引っ張りそのままベッドの上に座る修哉の上にダイブしてしまった。昨日から何度も同じ光景を目にしてる気がする。
「藍、キスしてもいい?」
はい?
聞き返そうとした言葉を重なった唇が飲み込んだ、目を閉じている修哉の顔を何度も角度を変えながらのキスを受け入れたまま見つめた。
不意に、目が開いて視線も重なったらぬるっと無抵抗の唇の隙間から舌が入り込んだ。
「っ!?」
驚きのあまり逃げようと腰を引いたら後頭部を固定され、さらに私の舌と絡ませて食べるようなキスに変わった。
「んぅ……っ、ふ、…ん…」
くちゅ、と厭らしい音が聞こえる。聴覚をも刺激するキスに体の中心がきゅんと甘く疼いた。
「藍…」
唾液を送られ自然にコクンと喉をならして飲んだら唇が離れ、初めて見る顔を私に向ける。
「修哉…その顔…ずるぃ…」
濡れた唇は厭らしく、それなのに慈しむような柔らかい笑顔。すると私の頬を撫でた。
「自分が何言ってるかわかってる?
俺、藍に欲情してるんだけど、このままだと襲うよ」
朝から私にあんなことをしておいて、ここでも焦らすの?
そう思ったら私は修哉の首に抱き着いていた。

