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贄姫
第5章 伍


唇を唾液まみれにされ
空気を欲しがって嫌がれば
ほんの束の間離すだけで
またさらに舌が深く椿を犯す。


椿の抵抗を瓊乱は許さず、
両腕でみっちりと頭を抱え込まれ
酸欠になりそうになる。


「欲しがれよ」


瓊乱が呻くように椿の唇に息を吹きかけた。


「唾液。飲ませてやる」


その言葉の意味を椿は酸素の行き渡らない脳で、うっすらと理解する。
瓊乱の唾液さえ飲めば気力が回復するのだ。


そう、男女の営みで交われば
術者と使役された妖は、気が巡る。
お互いにとって、これほどまでに手っ取り早い回復方法はない。


そして、交わった後にはお互いに力がみなぎっている。
さっき、起きたときに感じた身体中の爽快感は忘れがたい。
あんなに疲れて衰弱していたのに、
たった一回の交わりであそこまで回復するのだ。


「少しは俺に抵抗したいだろ?」


それとも。
そう言って瓊乱は椿を抱きかかえて起こす。
お互い向き合いながら抱きしめられる。
椿の中に入っている瓊乱の位置が変わり
お腹の中にさらに深い衝撃が走った。


「このまま、めちゃくちゃに犯されたいか?」


「あっ…っう…」


瓊乱が椿の腰から手を離すと
椿の自重で瓊乱がさらに奥深くに入る。
その衝撃に耐えきれず椿は呻いた。


振りほどきたくともできず
少しでも動こうとすればお腹の中の瓊乱が暴れ出す。


「お前、少しは自覚しろよ…。
気持ちよすぎて、締め付けてるぞ」
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