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贄姫
第5章 伍


「あんたが…痛い…から…」


しかし、自分で言っていてもそれが強がりだと知っていた。
どういうわけか、椿の身体は瓊乱を受け入れていた。


初めてが痛いというのは聞いていたが
その痛みを通り越して、快楽が優った。
それは、心と身体を捧げるという
契約によるものなのだと
気づいているのは瓊乱だけだった。


椿の秘部が
その言葉に反応してか、ビクビクと小刻みに痙攣した。
瓊乱が椿のほっそりとした腰に手を当て
少し持ち上げたかと思うと
ぐっと打ち付けて押し入って来た。


「きゃっ…! や、やだぁ…」


しかし、その言葉を吐くと同時に
力が一気に抜けてしまい
瓊乱に体重を預けてしまった。


「馬鹿にもほどがあるだろ」


瓊乱は苦しそうに椿の腰を持ち上げては
自分のそれを支点にして
椿にずぐずぐと入り込む。
抱きつく気力もない椿はされるがままに気を保つ方が精一杯で
呼吸さえ忘れそうになった。


「欲しがれよ、椿。
楽になる。
お前は俺が護ってやる。
だから、俺を欲しがれ」


そう言ってお尻を叩かれた時に
椿ははっと意識を取り戻した。
そして、暴れる瓊乱から繰り出される快楽に
後悔して身をよじった。


「っあ…」


今や、椿が瓊乱の上にまたがる
はしたない格好になっていた。
それに気づいただけで
椿は羞恥で顔が赤らむのを感じた。


「懇願しろよ。俺の上で跨って
いやらしいそこを広げて
腰を振りながら言えよ
『下さい』ってな」


椿はそう言われただけで
羞恥で意識が飛びそうになった。
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