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MY GIRL
第11章 それぞれの過去
亡くなった母親のお腹に2人目の子供がいたけど、母親も子供も手遅れだったらしい。

母親の通夜が開かれても、父親は興味を示さず、来る事も、母親が亡くなったって事すら関心を持たず他の女に手ぇ出してたんだと。

それだけじゃない…俺の父親、子供は俺だけじゃないんだ。

結婚してようがしてまいが関係なし…自分の会社で働いてる、適当に選んだ女孕ませて権力使って無理矢理生ませて、子供が女だったら施設行き、男だったら跡継ぎの為に引き取って別の部屋に移させて、1歳から英才教育だの経済学だの何だの学ばされて…

…1歳だぜ?1歳。

流石に1歳の頃の記憶はないけど、子供の頃は勉強してた記憶しかないんだ。

跡継ぎに相応しい人間になるように…

父親の腹違いの子供、俺入れて7人いて、一番出来る恭佑(きょうすけ)が跡継ぎに選ばれた。

その時の俺達は勉強すんのが当たり前で、誰1人反抗する奴がいなくて…というか反抗するって事を教わってなかったから、皆跡継ぎに選ばれる為に努力してた。

…勿論、俺もな。

で、危なかったんだ…俺と恭佑ともう1人、航平(こうへい)は、生まれつきの天才って言われてて。

周りからも俺ら3人の内の誰かだって言われてた。

だから、殆ど3人での勝負だったよ。

…この時跡継ぎになってたら、今こうして美咲と出会えてなかった。

最後の跡継ぎのテストで、俺と恭佑が残って…2人共満点だったんだけど。

俺、回答用紙に名前書くの忘れて…

「自分の名前も名乗れん奴が跡継ぎになる資格はない」

って言われて、跡継ぎが恭佑に決まったんだ。

他の6人の俺らは、生んだ母親の家で育てられるか、養子として高宮家に入るか選ばされて、…まあ俺は当然、母親いないから高宮家に入った。

俺と恭佑、元々仲良かったから、一緒に遊んだり勉強したりしてたんだけど。

恭佑が跡継ぎの勉強させられてるの偶然見た時、…まともに見てられない程酷かった。

完璧を求められて、間違えると殴られるんだ。

「何でこんなのも分からないんだ」

って怒鳴られて。

なのに恭佑、素直に謝って勉強続けてて、…子供ながら凄い尊敬した。

こいつは人の上に立つ素質ある人間なんだ、って。


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