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秘蜜に濡れて
第12章 曖昧な予感
「ありがとうと伝えたくて…急に声を掛けて済まなかった、これからも時々こうやって会ってもらえると嬉しい」
撥春の上司の頼みを断る理由などなかった。
「色々難しい世界だけど、撥春のこと、宜しく頼む」
「こちらこそ…宜しくお願いします」
ホテルを出て、地下駐車場から車に乗り込む。
じっとバックミラーを見つめる嘉紀。
「岩崎さん…?あの、何か…?」
「いや、何でもない」
車を走らせると嘉紀は他愛のない話であいりを楽しませた。
代表取締役とは思えない程気さくな人柄にあいりはすっかり気を許していた。
「撥春が戻ってくるのは再来週くらいかな」
「そうですね」
「淋しい?スタッフパス、用意しようか?今回のツアーは日程もほぼ週末だし、会いたくない?」
「あ、いたいです…でも…大丈夫です」
「撥春が大丈夫じゃないかもしれないよ?どんなに疲れていても、好きな女が目の前に居てくれたら…何にも代え難いと思うけどな、僕なら」
切なく遠い目をする嘉紀の言葉は説得力も絶大だった。
撥春の上司の頼みを断る理由などなかった。
「色々難しい世界だけど、撥春のこと、宜しく頼む」
「こちらこそ…宜しくお願いします」
ホテルを出て、地下駐車場から車に乗り込む。
じっとバックミラーを見つめる嘉紀。
「岩崎さん…?あの、何か…?」
「いや、何でもない」
車を走らせると嘉紀は他愛のない話であいりを楽しませた。
代表取締役とは思えない程気さくな人柄にあいりはすっかり気を許していた。
「撥春が戻ってくるのは再来週くらいかな」
「そうですね」
「淋しい?スタッフパス、用意しようか?今回のツアーは日程もほぼ週末だし、会いたくない?」
「あ、いたいです…でも…大丈夫です」
「撥春が大丈夫じゃないかもしれないよ?どんなに疲れていても、好きな女が目の前に居てくれたら…何にも代え難いと思うけどな、僕なら」
切なく遠い目をする嘉紀の言葉は説得力も絶大だった。