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秘蜜に濡れて
第9章 BLIND
火のついた撥春はそのまま仕事に行く15分前まであいりを離さなかった。

あいりをベッドに横たえると、髪を掬って口付けた。

「ごめん、手加減忘れた…」

叱られた子供の様にしょげ返る撥春に、あいりはくすりと笑った。

「今夜は遅くなるけど…」

「明日から泊まりで出張なんです、帰って用意しないと…」

「そっか、じゃあ行ってくるけど、ゆっくりしていって」

急いでシャワーを浴び、着替えをすますと出て行った撥春を確認し、あいりは眠りに落ちていった。


一階のロータリーには将人と司が待っていた。

「怜二は?」

「里美ちゃん家から直行、あの二人付き合ってないって酷くない?」

それは里美に言ってるのだろうか?

「髪ぐらい乾かしてから来いよ」

将人に指摘されて、ブルッと頭を振った。

「ッス!行くぞ」

健一の運転する車はスタジオに向かって軽やかに走り出した。

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