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秘蜜に濡れて
第10章 suger&spice
「ラブリー」

里美が引っ張り出したのは下着だった。

「さ、里美さっ!」

ピンクの下着を自分に当てながら椅子の上に立ち上がると、ナナはお腹を抱えて笑った。

「はーい、これはお預かりいたしまーす」

「里美、出来上がってるわね…」

苦笑いの茉莉花。

「伊坂さんと付き合い始めてどれ位だっけ?」

「三カ月、くらい…?」

「スパイスも必要よ」

ニコルの笑顔はあいりをほっとさせた。

里美はそのあとも勢い衰えず、早めに呼び出された怜二に連れ出された。

里美と怜二に代わって、撥春と竜、司、啓介がやって来た。

ナナと茉莉花は突然の四人の登場にテンションが上がっていた。

撥春はあいりの隣にごく自然に座った。

律は二人を見つめていた。

「何、まだ惜しい?」

隣に座った竜が律に問いかける。

「まさか、いい顔するなぁって見てただけ」

「ふーん」

「竜は?ああいう彼女欲しくない?」

撥春に向けるあいりの笑顔。

「…さあね」

「竜には余計なお世話か」

律はグラスを傾けた。
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