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カノジョ
第8章 あんなカノジョ《再々》
 
 バッと布団を撥ね除け、ガバッと体を起こす。

 ベッドから降りると、床にペタッと座って脚を大きく開いた。

「アタシ…教師だけど……っく……考え込むのは…性に合わない…っくぅ……からなぁ………」

 大開脚もその儘に、体の柔らかさを駆使してストレッチを繰り返す。

 体を動かして疲れることで寝てしまおうという目論見。

 撓わな胸を床に押し潰すように上体を倒し、起こしては引き締まったウエストを更に締めるかのように捩る。

「フッ…フッ…フッ……」

 激しい動きに細かく息を吐き出す。

 長い黒髪が振り乱れる。

 最早、睡眠前の軽いストレッチの度合いを越えていた。

「し、しかし…だな………」

 胸を突き出すように上体を反らしていれば、ある光景が不意に脳裏を過ぎる。

 裾をギュッと掴んで俯いていた、真希の体操服姿。

「あれは絶対…ブラしてなかったよな………」
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