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カノジョ
第8章 あんなカノジョ《再々》
 
「うへぇ……」

 バタッとベッドに倒れ込む杏子。

「もう……仕事行きたくなぁい………」

 朝から疲労感たっぷりにぼやく。

 特に膝から太腿までの疲労が激しかった。

「…サボりたい………」

 これから準備をしなければと思うと、体が拒絶反応を見せて動こうとしなかった。

 メイクはいつも通りに簡単に終わるが、サラシを胸に巻き付けるのが面倒だった。

「これから暑くなるし……おっぱい蒸れるしなぁ………」

 ベッドの上でゴロゴロ転がるまでは回復した体力。

 しかし、起き上がる気力までは回復していなかった。

 タンクトップの裾が開けて腹が見えようがお構いなしに、無造作にホットパンツを脱ぎ捨てる。

 学校では凜とした姿を見せる杏子も、自室ではこんなもんであった。

 すっかりだらけモードへと突入してしまった杏子。

 それでも気になるのか、チラチラと時計を見ていた時だった。

 ‘プルルルッ’と携帯の音が杏子の意識を向けさせた。
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