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カノジョ
第8章 あんなカノジョ《再々》
 
「もひもひぃ…」

 画面を確認すること無く、だらけた口調で言葉を吐き出す。

「えっ? あ…いや………お、起きてたよ?」

 無理矢理に脳内を覚醒させ慌てて取り繕う。

「や、やだなぁ…。もう、ずっと起きてるってぇ」

 確かに起きては居たけど、疲労感は一仕事終えた後と同じだった。

「もう、準備だってバッチリ……」

 姿が見えない事を良い事に、口先で言葉を並べていく。

「もう、いつでも行けるって感じだよ」


…アタシも…タンクトップにショーツ姿で行こうとか…


 自分にツッコミを入れる辺り、まだ若干の余裕があった杏子。

「まぁ、心配しなくても大丈夫だってぇ。
 ちゃんと時間には間に合うからぁ」

 取り繕いながら、器用にタンクトップを脱ぎ捨てて準備を始めようとする。


…まだ間に合うのに…心配性だなぁ……


 次いで、ショーツも脱いで全裸となれば、シャワーを浴びようとノンビリ歩き出した時だった。

「えっ!? きょ、今日…だっけ?」
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