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Love adventure
第13章 背中にささやく「すき」
「ほなみ……好きだ……っ好きだよ……」
 
 彼は、ほなみが呼吸を整える間を与えない。
 熱く囁きながら彼女の腕を掴み、身体を裏返す。
 乳房に顔を埋め、指でまさぐりながら舌を這わせた。

「やっ……に、西く……もう」
「足りないよ……まだ……ほなみっ……」
「だ、ダメ……」

 ほなみが彼の頭を掴んだ時、急に体に重みが加わり、静かな寝息が聞こえてきた。
 西本は疲れ果て、眠ってしまったようだ。

「――西君たら……」

 ほなみは、思わず笑いを溢す。
  サラサラの真っすぐな髪を指でそっとなぞり、小さな子供のような寝顔を眺めた。
 強引に押さえ付けて、壊されるかと思うくらい抱き締めるかと思えば、置き去りにされたような表情をして、すがってきたり……

 そして。
 彼は、何度も「好きだよ」と――

 最高に幸福で嬉しくて、死んでもいいと思った。
 けれど、愛の言葉を伝える事は出来なかった。
 ほなみは彼の頬に口付け、起こさないように、静かにベッドから降りた。

「い……っ」

 ありとあらゆる関節がきしみ、もはや何処が一番痛むのかもわからない。
 シャワーを浴び、パジャマを着たが、首筋や胸元に付けられた痕があるのを見付け、ドキリとした。
 当分、首の周りが隠れるような服を着なければならない。
  雷はとうに止んだが、雪は降り続けていた。
 ほなみは、ブラインドの隙間から明かりの消えたcallingを見やる。 片付けの途中で飛び出してしまったが、浜田やメンバーが心配をしているかも知れない――

 パソコンで『クレッシェンド』を検索すると、メンバーの映像がトップに出てきた。ピアノに向かう西本がこちらを向いていて、写真なのにときめいてしまった。



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