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ジェミニの檻
第9章 distanse
「お待たせしましたーいちごミルフィーユショコラです」

側のベンチに座ると早速頬張る。

「ん〜っ!美味しいっ!」

「良かった!一口ちょうだい」

ぱくりと大口で頬張ると殆どのチョコレートアイスが由岐の口に入った。

「食べ過ぎっ!」

「ごめん」

顔を見合わせると微笑む。

当たり前なのに自然で嬉しくて、今までで一番近くにお互いを感じる事が出来た。

「天体観測、志貴も行くらしいね」

「あ、うん…」

「あいつ星好きだからな〜あいつが行くならまぁいいか」

「何で?」

「そこらの大学生よりかっこいいだろ?」

「遠回しに自分の事言ってるでしょ?」

バレたかと笑ってみせる。

「でも、彼奴は本当かっこいいよ、羨ましくなるくらい」

双子なのに羨ましい?

六花は首を傾げた。

「彼奴さ、昔っから何でもすぐ出来るんだよな、天才ってヤツ?俺がテスト前に必死で勉強してるのに、呑気にテレビ見てるくせに順位は上だし」

思い出しながら語られる過去。
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