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ジェミニの檻
第6章 不安材料
打ち上げはカラオケだった。

「六花ちゃんは松永の何処が好きなの?」

「告ったのは由岐から?」

矢継ぎ早の質問に六花は肩を竦めた。

「はいはい、先輩退がるっ!!」

六花を隅に座らせて、がっちりガードする由岐。

「先輩!試合の反省会です、今日はトスミスが目立ちましたよ!サイドウィングの連携が相手に読まれての失点が多かったです、それから」

梢がスコアを片手に読み上げていくと、皆んな真剣な顔になって聞き入った。

「2セット目で祐希が拾った後の流れが悪かったよな」

「サーブの狙いが甘いでしょ、田中は要注意だって言ってたよな?」

「リベロのしつこさに気持ち負けしたんじゃねーの?」

カラオケと言うこともあり、声の大きさ騒がしさに気遣わず意見が交差する。

それは一時間近く続いた。

フリードリンクを取りに席を立つ。

「池内さん、ですよね?」

振り向くと梢がグラスを持って立っていた。


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