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初花
第1章 琥珀
自らが 初めての男になれるから
龍を選んだわけではない。

たとえ、もう客をとりはじめていたあとでも
身請けしただろう。



廓の女将の 遠縁にあたるため
親を亡くし 引きとられ、
細々とした雑用をしていた龍にとっても
男娼となる日が遠からず来るはずであったから


それよりは、いずれは私のもとで
男妾のように 暮らした方が 良いとは思う。


だが、私のために 闇医者に手解きを受け
体を整え出迎えた龍は 悲壮感に満ちていた。


おそらく、十日前に 跡がのこるほど
無防備な のどもとに喰らいつかれたことと
ひろく流れる 冷酷な城主の噂が
彼を怯えさせているのだろう。


「酷くはしない。 力を ぬいていなさい。」


家臣が聴いたなら きっと驚愕するほど
私のくちから出るにしては
優しい言葉なのだが…

血の気が失せた貌。

うすい瞼は あの日と同じに
硬く閉じられて 震えている。





髪を撫でれば 身を竦め
くちづければ 息を詰める。

そっとほぐす指にも
拓いてゆく熱にも 従順に受け入れる龍。


初花だというから、泣いてもよし。
多少の 掻き傷を負わされるも、よし。

そんな心積もりをしてきたが 無用だった。

はじめて 自ら望んだ者を 手に得てなお
満ち足りはしない私は
強欲なのだろうか。
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