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第21章 おまけのSS② *★* 嫉妬×嫉妬

行けないじゃんと叫びながらも
パスポートの有効期限はいつまでだったっけと、調べようとするユーリ。

……ちょっと待て。
何言ってんの君達。

ニュージーランドにサーフィンしに行くの？
３人で？


「multilingual.(マルチリンガル)
10ヶ国語を自由自在に操るhyperpolyglot(ハイパーポリグロット)」

「………！」

「蓮から聞いた。
夏輝、すげーな」


……人を褒めない瀬名が、そう言って煙草の箱を夏輝に向けると


「……俺にはそれくらいしか特技がねぇんだよ」


社交的なユーリと違って、殻を破らず初回は様子見派の夏輝が
瀬名から１本を受け取ると、珍しく笑顔を見せた。


「８年放浪してたニートだったからな…」

「ニートだろうが何だろうが
あんたが見てきた景色は軌跡となって、確実にあんたの世界を広げてる」

「………！」

「俺なんかよりもずっと。
マジでかっこいいよ」


ライターで火を付けた瀬名も、煙草を咥えながら微笑んだ。



「夏輝。
だからお前の瞳は深いし、綺麗なんだな」