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第21章 おまけのSS② *★* 嫉妬×嫉妬

「あーーーマジでぜっんぜん面白くねぇ！」


バンド仲間に呼ばれて離席していたヒメが
右手にウォッカの瓶を握ったまま、俺の隣りにドカッと座った。

……普段冷めてるこの男が声を荒げる時は、酔ってる証拠だけど
今夜はそのレベルが尋常じゃない。


「なんでさっきからあいつらばかり葵と話してんだよ、あぁ？
俺様を無視しやがって！」

「……ヒメ…」

「そもそも俺の場所にユーリが座ってんのがおかしいだろって話！」

「………」

「つーかどー見たってあのソファは２人掛けだよな？
なんで野郎３人が身を寄せ合ってんだよ！」


……今の独り言には、相当ツッコミどころがあるにもかかわらず
自分の心境がヒメと酷似してると感じるのは何故だろう。

テーブルを挟んだ先、向かい側。
携帯を見て盛り上がる瀬名・ユーリ・夏輝は、ヒメが戻ってきたのに……完全シカト。


いや、その前から俺の存在さえも空気になりつつあったんだけど……


・・・って、なんで？
俺がこの会を立ち上げたのに……



「……ヒメが居ない間に
“ ３人 ” でハワイに行くことが決まったみたい」


ボソッと呟いた俺に、ラッパ飲みをするヒメの手が止まる。


「……３人？」

「あと、それぞれの相手」

「俺とお前は！」

「既婚者は無しって」

「～～～！！」