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第2章 2.君を気にしない日など
午後、俺は調査会社の応接室に居た。
「調査結果はこちらです」
俺は、大きな茶封筒に入った書類を渡された。
「どうぞご覧ください」
そう促され、勇気を出して書類を取り出す。
分厚い冊子が姿を現した。
「調査報告書」
一番みたいけど、一番恐れている書類。
深呼吸して、冊子を開く。
そこには、妻、有香の行動報告が事細かに書かれていた。
予算150万で依頼した調査。
こういうところにお世話になるとは俺は思っていなかった。
時系列で詳細が書かれ、予算にたがわぬ細かさだ。
最初は文章での記載。後半からは写真だ。
朝、男のマンションから出る妻。
会社から昼休みに出かける妻。
仕事終わりで、男と食事をし、朝出たマンションに帰宅する妻。
文章よりも写真の方が衝撃は大きい。
「奥様の証拠、つかみましたね。
で、どうなさいますか?弁護士をご紹介も出来ますよ」
担当者の優しい問いかけ。
「気を確かに持ってくださいね、高井さん」
「気は確かです。どうしようかを悩んでいるのです」
「後ろの方、ちょっと面白いものも撮れているんです」
冊子の後半部分、二人がもめている写真だった。
ただのカップルの喧嘩ではなく、深刻な表情の2人。
内容はもちろんわかる由もない。
「この雰囲気からいうと、この2人はちょっとうまくはいかなくなってきていると見えますよ」
ただの静止画では断定はできないが、確かにスムーズな関係性という雰囲気は感じ取れなくなってきている。
「高井先生、どうなさいますか?弁護士もご紹介できますし、慰謝料もこの状態であればしっかりとれると思いますよ」
慰謝料。
重い言葉だ。
お金で解決できない心の問題。
俺だけでなく、息子の聖や、娘の那奈にどう釈明するのか。
聖はなんとなく気づいてはいるようだ。
「一応、弁護士さんご紹介願えますか?」
俺は、迷いながらも言った。
「お別れになるんですか?」
「いいや、まだ決めきれてはいません。ただ、このまま別れるのは俺も、子供にとっても、よくないとは思います。」
とはいえ俺は揺れていた。
とりあえず弁護士とのアポイントメントを決めて、調査会社を後にした。
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