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第2章 2.君を気にしない日など
わかっていた結果に愕然としつつも、俺は別れたい気持ちが不思議なくらいに持てなかった。
結婚して10数年、仲良くやって来たし、家族を楽させたい一心で、畑の違う仕事も色々受けて、収入も上向いてきた。
そこへ来て、妻の裏切り。
彼女からは別れを迫る、俺を否定するような酷い言葉の数々。
子供の為もあるけど、俺は俺のために別れる気持ちがなかった。
だが涙は溢れてくる。
押さえようとすると却って嗚咽が漏れる。
子供たちの手前、家では泣けないから、今、車で泣いている。
苦しい心境。
すると電話が鳴った。
相手は親友で義弟の浩一。
「もしもし」
『健、泣いてるのか?』
「……泣いてるよ」
彼には今回の詳細を話し、相談に乗ってもらっている。
今日、結果をもらいに行くのも知っている。
『調査結果は黒だったんだな』
「そうだよ」
『別れるのか?』
「いいや、不思議なんだけど、別れる気持ちは起きていない」
『あんな酷い言葉投げられてもか?』
友香に投げつけられた残酷な言葉の数々を俺は浩一に見せた。
俺の人格を、人間性を否定するような残酷な言葉たちが俺の心を血まみれにした。
「生理的に受け付けない」
だの
「もう高井の名字を名乗りたくもない」
作家稼業ゆえに言葉の一つ一つが鋭く深く俺を突き刺し、心を切り刻んでいた。
「俺は馬鹿なのかな。今あいつが目の前に来ても、抱き締めたくなる気持ちがある。
今のあいつはおかしくなってるだけな気がしてるんだよ」
『健、お前ってやっぱ愛情深いよな。
純粋なんだな。
こんな愛情深いやつを友香はなんで裏切るんだ?』
親友の言葉が俺の心を抉る。
「俺、どうしたらいいんだろう。
もう頭ぐちゃぐちゃだよ」
涙が次々にあふれてくる。
『健、しっかりしろ!
友香を愛してるんだろう?
それは抗えない事実だ。
そしてあいつが元カレと不貞してる。
それも事実だ。
それは変えられない』
「ああそうだな」
『今夜飲むか、外で。
希望がすげえ心配してるんだぜ。
子供達はうちで見るから。
お前はいつも気持ち溜め込み過ぎるんだよ。
いいか吐き出せ、聞いてやる』
「浩一ありがとうな」
俺は涙を拭って電話を切った。
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