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あたしの甘い王子さま
第12章 専務と部長とあたし

猪俣さんがある部屋の前でノックする。


「専務、猪俣です。瀬上さんをお連れしました」


『あぁ、入ってくれ』


「失礼します....」


開いたドアの先には言われた通り伯父である専務と部長がいた。


「瀬上さん、どうぞ中へ」


「し、失礼します」


猪俣さんはあたしが専務室に入ったのを確認すると


「では、専務。わたくしはこれで。ご用の際は内線をお願い致します」


「すまないね、猪俣君。ありがとう」


専務がお礼の言葉を述べると、ひとつ綺麗なお辞儀をして猪俣さんは部屋を出ていった。


秘書サンって、お辞儀ひとつとっても綺麗な所作で見惚れちゃう。
あたしよりも細くて小柄だし........何てったって、肌艶きれい!
世の男性は皆、こんな女性に惚れちゃうんじゃないの?





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