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孤城の中のお姫様
第1章 『今川遥(いまがわはるか)』〜都内私立有名女子高1年生〜
コーヒーを飲み終えた川村先生は、

「さあ、お部屋に行って勉強しましょう。」

そう言って、私の後ろに立った。

「先生からお部屋に行ってください。今日は。」

「遥さんの、お家ですよ。僕が先に歩いたら駄目でしょう?」

「今日だけです。私、先生の後ろ姿を近くで見てみたいんです。」

「じゃあ、今日だけですよ。」

先生が食堂から、吹き抜けのフロアに出ると、曲がり階段を上り出した。

私はその背後にピッタリ着いて歩いた。

川村先生の水泳で鍛え上げた、肩と背中は大きかった。私は飛び上がり、背負われたい衝動にかられた。でも階段だから躊躇した。
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