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第2章 山川静香(やまかわしずか)〜都内有名私立大文学部４年年〜

(やっぱり相沢には、今の気持ちを素直に伝えたい…。)

私はそう決心して、いきなりドアを開けた。

相沢圭司は何事が起きたのか、Ｔシャツに短パン姿で、あぐらをかいたまま、一瞬飛び上がり、身を後ずさりさせた。その衝撃で、小さなテーブルがガタンと振動し、ペンやノートが床に落ちた。

｢わあっ！…し…静香さん！なんでここにっ？｣

相沢圭司は僅かに、腰の後ろで手を着いて、後ずさりしたまま、目を見開いて、驚愕したまま、私に問い掛けてきた。

｢私…どうしても相沢と一緒にいたくて、母屋から出て来ちゃった！｣

｢どうやって、出たんですか？それにここだって施錠してあったはず…。｣

｢えへへっ…さてどうやってでしょうね？だいたい、私を篭の鳥にしているなんて、ひどいじゃない！｣

｢母屋の玄関を開けて来たなら、警備会社がすぐに来ますよ。まずは、お部屋に戻ってください。あとは私が対応しますから。｣

｢大丈夫よ。暗証番号で警備は解除したし緑ランプの点灯になったのを確認してから出たから…。｣

｢相沢圭司は肩で大きく深呼吸して、なんだ、静香さん解除方法をご存知だったんですか…。よかった、アラームは山本さん宅にも通報が行きますからね。どうしようかと…とりあえずよかった…静香さんがここにいることが、山本さんに知れたら…私は監督不行き届きで明日には即、首ですよ…。｣

相沢圭司はかなり狼狽していた。