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第17章 メイドのワケ

今日の午後から、この清瀬家の当主、拓海様の妻、鞠子様のお世話の仕事をすることになっている。

すみれさんに連れられ鞠子様の待つ部屋へ向かう。

鞠子様は、昨日の夜、旅行から帰られたらしい。

あたしも会うのは少し久しぶり。


すみれさんが一つの部屋の前で立ち止まり、ノックをする。


『はぃ。どうぞ』


中から声がして、あたしとすみれさんは中に入って一礼した。


「鞠子様、今日からお仕えする本庄を連れてまいりました。」

すみれさんが言うと、鞠子さんは嬉しそうにこちらに駆け寄ってきた。


「莉愛菜ちゃんっ!!元気だった？久しぶりねぇ。会いたかったのよずっと。」

「鞠子様ご無沙汰しております。お元気そうで何よりです。」