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第19章 清瀬海斗

「な、なんで。あたしはあなたのメイドは仕事として割り切ってやりますが、……ど、奴隷なんてなるつもりはありませんっ。」


あたしは昔のようにこのお屋敷に遊びで来ているんじゃない。

仕事で来ているんだ。

与えられた仕事は精一杯頑張りたい。

それが清瀬家の皆さんへの恩返しになるなら。

でも、奴隷は無理だ。

あたしは好きでもない、付き合ってもいない人とはもうあんな事しない。

直哉を悲しませることはもう……



じりじり後ずさるあたしを追い詰める笑顔の海斗様の表情が変わった。


「何を言ってるんですか莉愛菜。契約違反ですよ。」

さっきまでの穏やかな笑顔が、今は獲物を捉える獰猛な目に意地悪な笑みを浮かべている。