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莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第37章 導かれるように
それから高台のいつものベンチに向かった。
風はそんなに強くなくて心地いい。
ベンチに座って、目の前の景色を見る。
綺麗だった。
なんだかここだけ時間が止まっているような気がする。
いつ来ても変わらない場所。
なんだか安心する。
梅雨に入ろうとしている今の季節は少し湿気があるけれど、気温はとても過ごしやすい。
急にウトウトしてしまった。
緊張していたし、たくさん走った。
たくさん泣いた。
あたしはこの特等席で幼い頃の夢を見た。
パパとママに挟まれて幸せそうな自分。
パパとママもお互い微笑み合っていて幸せそう。
ママがあたしに近づいて何か言ってる。
―――大丈夫だよ。
そう聞こえた気がした。