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莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第38章 救世主
しばらくそうしていた。
早く海斗様に連絡しようと思うのだけれど、嗚咽ばかりでまともにしゃべれそうもないし、視界が涙で滲んでまともにメールも打てない。
すると少し遠くから、雷の音が聞こえた。
ゴロゴロゴロゴロ―――――
あたしの身体はビクッと跳ねた。
雷は嫌いだ。
あの事を思い出すから。
あんな事、夢で見るだけで充分だ。
段々と近くなる雷の音。
あたしの身体は固まって動けなくなる。
早く移動しよう。
こんな高台にいちゃ駄目だ。
雨もどんどん強くなってきた。
せめて雨宿りしよう。
そう思うのに足が震えて動かない。
まただ
また聞こえる
雨の音
クラクションの音
周りの人の声
雷の音
アスファルトの黒
横断歩道の白
そのうえに広がる
赤
真っ赤な血の赤
ママから流れる
赤