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莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第39章 救世主の想い
莉愛菜を強く抱きしめ、震える身体を宥めるようにそっと背中を擦った。
俺がここに着いた時、ひとり雨に打たれずぶ濡れになりながら縮こまり震える莉愛菜がいた。
近づいて名前を呼ぶも、莉愛菜には届かない。
目が虚ろに辺りを見渡してる。
辺りを見てるようで、見ていない。
しきりに”ママ”と呼ぶ莉愛菜。
そうだ、莉愛菜の母親が死んだ日は、大雨が降っていて、雷もすごい嵐の日だったと聞いた。
その時を思い出しているのか?
今、莉愛菜に映るのは、必死にお前を呼ぶ俺の姿じゃなくて、目の前に倒れる母親の姿なのか?
あれから15年。
もう少し癒えていると思ってた俺は、正直焦った。
それでも、莉愛菜の目に俺が映らないなんて耐えられない。
キツく抱きしめて何度も、何度も名前を呼んだ。
もう大丈夫だと伝えるように。