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莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第40章 まどろみの中で
俺は腕の中の莉愛菜を横抱きにして歩き出す。
階段を下りていくと前から寺井が走って来た。
「海斗様!!……莉愛菜さんっ。」
俺の腕の中のずぶ濡れの莉愛菜を見て、目を見開いた。
でもそれは一瞬で、すぐ俺たちに傘を傾けて隣に並んだ。
「寺井、先に車に戻って車内を暖めておいてくれ。
それと、莉愛菜に毛布を。」
寺井はすぐに走って来た道を戻って行った。
莉愛菜の母親の墓の前を通る時、俺は一度立ち止まった。
莉愛菜は俺が守るから。
新たにした決意を胸に秘め、また歩き出した。
車に乗り込むと、寺井がタオルと毛布を渡してくれた。
タオルで莉愛菜の髪を拭く。
莉愛菜はあの高台からここまでじっと大人しく、未だ少し虚ろな目で俺を見つめていた。