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莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第53章 主人の怒り
―――誰かの声がする。
まどろむ意識の中で考える。
しばらくすると、何かが俺の傍に擦り寄って来た。
この甘い香りは……
好きな女の顔が浮かぶ。
俺が愛してやまない女の為に用意した、あの香りが仄かに香る。
俺が用意した香りを纏う好きな女を抱きしめる事は、俺にとって何物にも代えがたい。
そっとその身体を抱き寄せる。
首筋に顔を埋め、深呼吸をすると、とても安心する。
――――莉愛菜。
只一人の女の名前。
やっとこの手に抱きしめられる。
自分で決めた戒めも、やっと終わるんだ。
またこの手でこの身体をキツく抱きしめる事が出来る。
今までの不安も寂しさも、全て受け止める。
受け止めて、それ以上の愛を注いでやる。
莉愛菜が不安だった事も、寂しかったことも忘れるくらいに。
俺は抱きしめる腕に力を込めて、またまどろみの中へ旅立った―――