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莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第57章 素直な気持ち
いつものリビングへ入る。
するとそのまま海斗様はベッドルームに引っ張って行こうとする。
あたしはふと、今朝の光景を思い出す。
なんだか胸が痛くて、ベッドルームに行きたくない。
海斗様に引かれる手に力を入れ、その場に立ち止まった。
「莉愛菜?」
あたしは俯いたまま顔を上げる事が出来ず、なにも口にすることも出来ない。
本当は聞きたい。
―――今朝の女性は誰ですか?
―――婚約者がいたんですか?
―――あたしは本当にあなたのただの奴隷ですか?
だけど、どれも口にする事が出来なかった。
喉の奥にこびり付いたまま出てきてくれない。
きっとそれは、もしそれを聞いた時に肯定されてしまう事を無意識に恐れているから。
真実を知りたいけど、知りたくない。
そんな気持ちがあたしの中をぐるぐると渦巻いている。