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第57章 素直な気持ち

それでも…


………それでも、海斗様が好き。


これはあたしの中で絶対に揺るがないもの。


海斗様が誰を想っていても、あたしはメイドとして、専属奴隷として、精一杯海斗様に仕えるの。

海斗様の為に。

海斗様が、身体であたしを選んだのなら、身体で海斗様を虜にする。


それでも海斗様は最後には愛する女性の元へ行く。

それはとても悲しくて、切なくて、絶望的な事。

そんなこと、あたしに耐えられるの？

あの女性と海斗様の姿を見ていられるの？


あたしの涙は止まらない。

さっき直哉の家で思わず言ってしまった自分の気持ち。

海斗様は特に何も言わなかった。

ただあたしを見てた。


迷惑だったかな？

驚かせちゃったかな？

もう、傍に居させてくれないかな？



嗚咽を必死に堪えていると




バタンッ――――――


バスルームの扉が開いた。