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莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第60章 優しい時間


「わかったか?」

あたしの真っ赤な顔を覗き込みながら聞いてきたから、コクリと頷いた。

そして頭を撫でながら更に念を押す様に言った。

「仕事中以外は海斗”様”っての禁止。」


えっ?!禁止?!

そしたら、海斗お兄ちゃんって言えって事?


あたしは海斗様を”海斗様”か”海斗お兄ちゃん”としか呼んだ事がなかった。


「海斗、お兄ちゃん?」

あたしが首を傾げながら言うと、予想外に眉を寄せた。

あれ?

なんか変な事言った?

すると徐に口を開く海斗様。


「海斗っ。」


呼べ!というように口に出した。

海斗?!

確かに海斗様はもうただの主人ではなく、あたしの恋人になったんだ。

だから、”様”も“お兄ちゃん”もおかしい。

でもちょっと恥ずかしいな。


そんな風に、なかなか呼ばないあたしをじっと見ていた海斗様。

ふいに視線をそらし、あたしに背をむけた。


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