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第61章 望んでいたもの

”海斗様”


俺を呼ぶ莉愛菜の声に我に返った。

俺は理性を必死に保ち、莉愛菜を風呂に行かせた。


あの身体にむしゃぶりつくところだった。

でも、あいつの匂いをした莉愛菜は駄目だ。

何をされたのか、全てを見たわけじゃない。

男に触れられる事に臆病になっているかもしれない。

だから、莉愛菜の不安を全部取り除いて、安心させてからじゃなきゃ駄目だ。

なのに、俺の身体は激しく莉愛菜を欲していた。

莉愛菜が今朝の事で何を思ったかもわからないんだ。


俺だって不安なんだよ。

莉愛菜が離れて行くんじゃないかと。

あの女が莉愛菜に何を言ったかなんてわからない。

俺に言った事が全てじゃないだろう。

だからこそ、それを聞いて、誤解があれば解かなければ。

頭ではわかってるが、身体は本能で莉愛菜を抱きたいと叫んでる。

今まで散々我慢してきた俺は限界だった。