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第62章 平穏な日々

「え、違います。ただ、さっきから皆さんにお酒取りに行って貰っちゃってるから、今度はあたしが行こうかと…」

「駄目だと言っているでしょう？
どうしても行きたいなら俺が付いていきます。」

そう言って立ちあがった。

そして先に歩き出す。

いつもなら、手を引かれるところだけど、場所的に良くないと、酔っ払ってても配慮できる海斗ってやっぱり凄いと思う。

そしてなぜかニヤけてるすみれさんと恭介さんに見送られ、あたしは急いで海斗の後に続いた。

ドリンクのある場所に行くと、さっきいた星野と言う人はもういなかった。

当たり前か、なんて思いながらも誰かが作っておいてくれたカシスソーダを手に取る。

そして海斗はなにやらあたしとは違う真っ赤な液体を手にしている。

「海斗様、それって…」

あたしが尋ねると

「あぁ、これですか。赤ワインですよ。」

そう言って妖しげに微笑んだ。