この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第65章 莉愛菜の変化
毎年この時期を今の様な状態で過ごしていたんだろう。
一人で必死に耐えて。
本庄さんも近くにいなかった。
命日には間に合うように帰って来ていたみたいだが、莉愛菜が不安定な時期をずっと一緒にいれたわけじゃない。
直哉とかいうあの男は?
あいつはきっと莉愛菜がこうなる事、その理由すら知らないだろう。
莉愛菜が言うとは思えない。
他人に迷惑をかけたくないときっと誰にも言わなかったはず。
莉愛菜はそういう子だ。
だとすると、去年までの今の時期の莉愛菜を想うと胸が張り裂けそうだ。
力いっぱい抱きしめてやりたくなる。
大丈夫だ。
俺に頼れ。
俺が全て受け止める。
辛い事は全て俺に吐き出せばいい。
それで莉愛菜が楽になるなら、俺はいつだって、どんな時だってお前の傍にいるから。
俺はここ数日、毎晩そう思いながら涙の痕を残す頬と濡れたまつ毛を見つめ、莉愛菜を抱きしめて眠るんだ。