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莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第66章 不安な季節
9月に入った。
あたしが嫌いな季節。
どうしても心が塞ぎこんでしまう。
普通にしてようと思っても気が付いたら態度に出てしまうようで海斗はもちろん、鞠子さんやすみれさん、パパにも気を遣わせてしまっている。
普段絶対しないようなミスまでしてしまって、あたしが謝ると、優しい笑顔で頭を撫でて大丈夫だって言ってくれる海斗。
あたしがこの時期こうなってしまう事をパパから聞いて知っていたらしい海斗は、最近いつにも増してあたしに優しい。
いつもあたしを抱きしめて眠る。
あたしはそんな海斗に甘えてしまってばっかり。
もっと強くなりたいのに。
それなのにあたしは毎年同じように、この時期は過去に囚われてしまう。
魘されてあまり眠れない。
そのせいかぼーっとしてしまう事も多く、食事も喉を通らない。
海斗がとても心配そうな顔を向けてこっちを見ることも知ってる。