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莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第69章 夏の終わりの夕暮れ
すみれさんが慌てて言った。
ゲリラ豪雨。
ありえるかもしれない。
最近急に降る豪雨はあたしの悩みの種。
天気予報で雨とか雷と言っていたら覚悟も出来るけれど、ゲリラ豪雨はそうもいかないから。
あたしは途轍もない不安に駆られた。
今は外。
雨に打たれたらどうしよう?
雷が鳴り出したら?
今の自分の気持ち的に、雨に打たれたらまたあの過去に囚われてしまうんじゃないかって恐いんだ。
前のママのお墓のある丘で起きた事のように。
だんだんと冷や汗が出てきた。
身体の中の血液が、スーッと沈んでいくような感覚。
すると、あたしの荷物を持っていない方の手に温もりを感じた。
「大丈夫よ莉愛菜。
あんたは一人じゃない。
あたしがいるでしょ?!
万が一何かあってもあたしが無事に屋敷まで運んで海斗様のところに連れてってあげるから!!」
そう言って明るくウインクした。