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莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第69章 夏の終わりの夕暮れ
あたしが不安と必死に戦っている間に、目的の大きな通りまで辿り着いた。
横断歩道の傍で通り過ぎる車を目で追いながらタクシーを探す。
何台かタクシーは通るけれど、みんな同じ事を考えているんだろう。
雨が降る前に移動しようとする人が多いのか、どのタクシーも満車でなかなか捕まえる事が出来ない。
すみれさんは少し道路に身を乗り出しながら、遠くに見えるタクシーに必死に手を上げてる。
でもそれも満車。
「なかなか捕まらないわね。
タイミング悪かったかな~。」
困ったように言うすみれさん。
あたしもすみれさんに任せてばっかじゃ駄目だと思い。
道路に身を乗り出し遠くから来るタクシーを探す。
すると、一つ先の交差点を曲がって来た車。
その車はとても大きなトラックで、その後ろはあたしの位置からは見る事が出来ない。
どんどん近づくトラック。
早く通り過ぎてくれないかな。
あたしはそのトラックをじっと見つめた。