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莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第71章 願い
あたしは、視線の先にいる自分を見つめる。
まだ5歳のあたしを。
やっとの思いで身体を起こしたんだろう。
ママがあたしを突き飛ばして歩道に投げたから、あたしのからだはボロボロ。
まだ半袖の時期だから、道路に叩きつけられて身体のあちこちに傷がある。
頭からも血が流れてる。
きっとそこもぶつけてしまったんだろう。
5歳児で、受け身なんか出来る訳無いんだ。
雨に打たれ、ボロボロの身体で、鳴きながらママを呼んでる。
”あたし”に向かって”ママ”って。
『莉愛菜、大丈夫よ。』
あたしは記憶の中のママと同じ事を言う。
声になったかどうかはわからないけど。
そして、誰かがあたしに囁いた。
――――――莉愛菜、……笑って?