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第72章 胸騒ぎの理由

あまりの突然の出来事に、会議を抜けてそのまま駆けつけてきた。

他の社員たちは何が起きたのかと不思議に思ったに違いない。

俺がやるべき事なんだろうが、今はここを離れるわけにはいかない。

莉愛菜を一人にしたくない。

俺の代わりを頼めるのは寺井しかいない。


俺の心情を理解したらしい寺井は

「わかりました。
フォローは私に任せてください。
しかし、私が行ってしまうと海斗様お一人になってしまいますが……大丈夫ですか？」

俺は大丈夫だと答えて、寺井を送りだした。



そして俺は今一人、この場所で莉愛菜をひたすら想っていた。


正直、大丈夫じゃない。


莉愛菜にもしもの事があったら…

そう考えると震えが止まらない。

ここまで来るまでも、狼狽する自分を必死に奮い立たせてきた。

早く莉愛菜の元へ行かなければと。

俺が傍にいてやらなきゃと。