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莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第72章 胸騒ぎの理由
「”K"と…”R”…」
”海斗”と……”莉愛菜”か。
ふっと笑みが零れる。
「……可愛い奴。」
こんなもの。
欲しければ俺がいくらでも買ってやるのに。
お揃いのマグカップ。
それで二人、いつものように飲み物を飲みながらリビングで寛ぐ姿を想う。
俺はコーヒーで、莉愛菜はココア。
心が和む。
莉愛菜はどんな気持ちでこれを選んでくれたんだろうか?
少なくとも、俺がいない場所でも俺を想ってくれたことがわかる。
それがとても嬉しくて、そんな莉愛菜がとても愛しい。
なのに、
こんな小さな幸せの光景すら危ういこの状況。
「………莉愛菜っ。」
俺はその割れた二つのマグカップを胸に抱き込む。
この小さな幸せが壊れてしまった。
俺は静かに涙を流す。
その涙がマグカップに落ちる。
「莉愛菜……戻ってこい。
俺を……独りにしないでくれ。」